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<title>清水哲男の「鹿児島・天文館徒然草」</title> 
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<modified>2012-05-22T08:32:05Z</modified> 
<tagline><![CDATA[南九州最大鹿児島の歓楽街、天文館でひろったよしなし事をつれづれなるままに。たまには鹿児島を飛び出して。
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<title>第千五百二十段　手繰る</title> 
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<modified>2012-05-20T11:35:28Z</modified> 
<issued>2012-05-09T15:01:21+09:00</issued> 
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<summary type="text/plain">間口は狭いが、暖簾を割って中に入ると広々とした空間が
　天文館から少しはなれた平之町まで足を延ばしました。
　鹿児島、天文館で蕎麦屋、しかも酒が飲める蕎麦屋というと、東千石町の「十五郎そば」くらいでしょうか。あとの蕎麦屋は食事をするにはいいけど、酒を飲むに...</summary> 
<dc:subject>味</dc:subject>
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<![CDATA[<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/e/4/e4c34e0f.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20120503-L1031746" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">間口は狭いが、暖簾を割って中に入ると広々とした空間が</span></span><br>
　天文館から少しはなれた平之町まで足を延ばしました。<br>
　鹿児島、天文館で蕎麦屋、しかも酒が飲める蕎麦屋というと、東千石町の「十五郎そば」くらいでしょうか。あとの蕎麦屋は食事をするにはいいけど、酒を飲むにはちょっとね。そんな感じなのです。<br>
で、平之町まで足を延ばせばいいお店があると聞いたので、のぞいてみました。そば処茜（あかね）さんです。<br>
　間口は狭いのですが、奥行きがあり、天井も高くて広々とした店内。しかもジャズが流れていたりして。入り口近くにはLPが無造作に並べられていて。真っ先に目についたのがケニー・ドーハムの“quite kenny”　これはなかなか渋いお店かも。期待が高まるわけです。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/7/c/7c8e5603.jpg" width="305" height="457" border="0" alt="20120503-IMG_1002" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">肴三種盛り</span></span><br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/c/2/c2e8a818.jpg" width="457" height="305" border="0" alt="20120503-IMG_1003" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">さざえつぼ焼き</span></span><br>
　肴三種盛りとビールを頼んで、あとは大将におまかせしました。<br>
　肴三種盛りは煮蛸、自然蕷おろし生海苔わさび、真鯛酒盗チーズ。真鯛酒盗チーズはワインもいけそうでした。てなことで、日本酒に変えて、蕎麦だしで焼いたさざえのつぼ焼き。さらに出汁巻、味噌漬けの揚げ豆腐と続きます。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/d/3/d3e5e4bf.jpg" width="305" height="457" border="0" alt="20120503-IMG_1004" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">出汁巻</span></span><br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/9/5/95a740ac.jpg" width="305" height="457" border="0" alt="20120503-IMG_1005" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">揚げ出し豆腐の味噌漬け</span></span><br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/9/2/92283e6c.jpg" width="305" height="457" border="0" alt="20120503-IMG_1006" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">自家製つけ揚げ</span></span><br>
　自家製のつけ揚げは白身魚。甘味をおさえた上品な味です。間にかもロースをはさんで春野菜と穴子の天ぷら。こちらの穴子は鹿児島でも1、2を争ううまさ。他の蕎麦屋では味わえないといっていいかもしれません。そして最後に蕎麦を。<br>
　「更級にしますか？　田舎にしますか？」<br>
　躊躇なく更級で。付け出しは絶品でした。<br>
　料理毎にお酒も変えていただき。鹿児島でこんなふうにいただけるとは……、としみじみしてしまいました。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/7/8/788104e8.jpg" width="305" height="457" border="0" alt="20120503-IMG_1007" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">鴨ロース</span></span><br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/5/4/54fea8f4.jpg" width="305" height="457" border="0" alt="20120503-IMG_1008" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">春野菜と穴子の天ぷら</span></span><br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/7/1/714ef462.jpg" width="457" height="305" border="0" alt="20120503-IMG_1009" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">更級</span></span><br>
　私が鹿児島に移ってきた頃ですから15年ほど前のことです。ひょんなことで1人の老人と知り合いました。彼は東京の国際国会図書館の司書を辞して、鹿児島に単身赴任でやってきて20年。大学で司書を養成する講座を持っていると話していました。どういうことで知り合ったのか、そんなに特別なこともなかったので忘れてしまいましたが、彼とはちょこちょこ会い酒を飲んだり、いろんな話をしたり、30ほど年は離れていましたがけっこう気が合い、親子ではなく兄弟のようにつきあいました。その彼がすこぶる蕎麦好きで、鹿児島にはうまい蕎麦屋がないというのが彼の愚痴でした。<br>
東京に帰った彼をたずねた時のことです。<br>
　「寿司はつまむっていうだろ。じゃあ、蕎麦はなんていうか知ってるかい」馴染みの蕎麦屋に私を連れていき、彼はうれしそうにいいました。「蕎麦はな、手繰（たぐ）るっていうんだよ。蕎麦はすするんじゃなくて、蕎麦は手繰る」。<br>
　そういうと彼はひょいとせいろの上の蕎麦を手繰りました。<br>
　茜さんで蕎麦をいただき、そんなことを思い出しました。<br>
　「鹿児島にもうまい蕎麦屋があるよ」<br>
　今度鹿児島に来ることがあったら、迷うことなく茜さんに連れてこようと思いました。<br>
　彼はいまも元気で東京で暮らしています。今年89歳になるはずです。<br>
<br>
<br>
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<title>番外　問われるのは経営を続けて行く体力だ</title> 
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<modified>2012-05-15T06:59:00Z</modified> 
<issued>2012-04-27T16:48:18+09:00</issued> 
<id>tag:blog.livedoor.jp,2012:tenmonkan.51931316</id>
<summary type="text/plain">　天文館シネマの開業を目前にして、映画興行業界に詳しい人の話を聞き、考えた。
　現在この業界に明るい材料を見つけるのは難しそうだ。先日、福岡のキャナルシティにも入るＵＣユナイテッドシネマも日本の全サイトを不動産関係のファンド会社へ丸売りしたという。その後の...</summary> 
<dc:subject>街</dc:subject>
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<![CDATA[<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/5/8/581473fe.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120422-L1031555" hspace="5" class="pict"  /><br />　天文館シネマの開業を目前にして、映画興行業界に詳しい人の話を聞き、考えた。<br>
　現在この業界に明るい材料を見つけるのは難しそうだ。先日、福岡のキャナルシティにも入るＵＣユナイテッドシネマも日本の全サイトを不動産関係のファンド会社へ丸売りしたという。その後の買い手はついていないようだが、シネコンその物が金融商品になってしまっているのが現実かもしれない。家賃、電気代、人件費、その他の経費を考えれば、綱渡り状態といっていいだろう。これからは、全国のシネコンが潰れるか、身売りする時代になるだろう。<br>
　そんな中天文館シネマは開業する。<br>
<br>
　配給関係者の間ではこんなことがささやかれているという。<br>
　天文館シネマの番組をバックアップするという東宝シネマズは、与次郎の消化番組を天文館シネマに回そうと考えてる節がある。簡単に言ってしまえば「ゴミ箱」だ。<br>
　運営をサポートするという静岡の日映は、既に逃げ腰だと。金銭的な補償はしない契約だとというが、日映は、映画館建設に伴う業界関係、映写機メーカー、椅子屋、システムメーカー、音響メーカーなどからの、インセンティブが有ったのではないかと。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/3/7/37a6220a.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120422-L1031579" hspace="5" class="pict"  /><br />　またある配給元の男性は、「天文館シネマは興行に対して取締関係者の個人補償がないので、新作を配給するなら、多分前金、あるいは最低保障を要求するだろう」と言う。「これは興行収入が上がっても上がらなくても前金で300万円払いなさいということです」と。興行収入が仮に100円でも、差額は返さない。また、300万円を超えての収入ならば契約書通りに歩合で支払えといいうことだ。「まず、この高い興行の運営リスクをどのようにして吸収するのだろうか」。彼は首をひねった。<br>
<br>
　私が見ても、5月3日の開業に向けて公にされた番組は東宝の２番館用のいわゆるムーヴオーバー作品がほとんどだ。<br>
　天文館シネマは、開業と同時に高いリスクにどう対応していくのかという体力が問われることになるだろう。<br>
<br>
<br>
<br>
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<title>第千五百十九段　頑張ります</title> 
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<modified>2012-05-07T04:00:15Z</modified> 
<issued>2012-04-21T15:01:17+09:00</issued> 
<id>tag:blog.livedoor.jp,2012:tenmonkan.51929773</id>
<summary type="text/plain">手書きのメニュー。味のあるいい字だな……

　何がいい出会いをもたらしてくれるか、そんなことを聞かれたら、わたしなら多分「偶然じゃないかなあ」と答えるだろうと思います。昨夜もそんな感じでした。
　どういうわけか、昨夜はのぞいたお店がすべて満席で少々困り果てて...</summary> 
<dc:subject>酒・酒場</dc:subject>
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<![CDATA[<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/7/1/713d2d80.jpg" width="305" height="457" border="0" alt="20120420-写真" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">手書きのメニュー。味のあるいい字だな……</span></span><br>
<br>
　何がいい出会いをもたらしてくれるか、そんなことを聞かれたら、わたしなら多分「偶然じゃないかなあ」と答えるだろうと思います。昨夜もそんな感じでした。<br>
　どういうわけか、昨夜はのぞいたお店がすべて満席で少々困り果ててしまいました。午後８時をまわっていましたから、余裕で入れると思っていたのですが甘かったなと。<br>
　で、数年前に知人に連れていってもらった店を思い出し、だめもとでのぞいてみようと行ってみたわけです。高見馬場交差点近くの地下「てんや笑神」さん。<br>
　「入れますか？」<br>
　「ちょっとお時間ください」<br>
　んー、やっぱり待たされるのかと思って、どれくらいとたずねたら、<br>
　「５分くらい」<br>
　と返事が返ってきました。じゃあ、待ちます。<br>
　前のお客さんの片付けをして、テーブルを拭いて……。テーブルに通されてから片付けられるより気分いいかもって思いました。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/2/e/2ef5b76a.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20120420-L1031534" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">幅広い年齢層、客層</span></span><br>
<br>
　出されたメニューを見て、ほうっと思いました。品数は多いし、値段もお手頃。ひょっとするといいお店にあたったかも。期待が膨らみました。いつもならゆっくり頼んで、ゆっくり食べて、飲んでってするんですが、少々混み合っていたのではじめに全部頼んどこうと、お刺身盛り、地鶏刺し、イカ軟骨からあげ、活〆地穴子とたらの芽の天ぷら、黒ぶたとん骨しょうゆ煮を。<br>
　最初は生ビールね。で、島美人のロック。<br>
　生ビールを飲みながら料理が出てくるのを待つ間、店内をきょろきょろ。テーブル席には若い女性のグループ、カップル、家族連れ、カウンターには常連さんでしょうねえおじさんが2人。ま、おじさんといっても、明らかに私より若そうですが……。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/7/4/74815ee8.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20120420-L1031547" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">笑顔が素敵な奥さん</span></span><br>
<br>
　ご主人が料理、奥さんがサービス。ご主人は加世田出身だと聞きました。忙しいけど２人とも笑顔が絶えません。時にはお客さんと冗談をいいあったり、なかなかいい雰囲気です。<br>
　気配りもたいしたもので、後の予定があったので最初に「１時間くらいですませたいのだけど、大丈夫かな」とたずねると、「穴子はちょっと時間がかかるけど……、頑張ります」と奥さん。他のお客さんとの兼ね合いもちゃんとはかって、スムーズに。<br>
　おかげさまで時間を気にすることなく、落ち着いて食事を楽しむことができました。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/a/b/abf5bf4b.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120420-L1031529" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">お刺身盛り680円。ぷりぷりでした</span></span><br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/1/a/1afa0b7b.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120420-L1031530" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">地鶏刺し。こちらもぷりぷり。値段忘れちゃった</span></span><br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/8/5/85738d38.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120420-L1031535" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">いか軟骨からあげ、380円だ。うまい！</span></span><br>
<br>
　もうひとつ、ああ、たいしたものだなと思ったのは、この奥さん、数年前に１度しか来たことのない私を覚えてくれていたのです。<br>
　「お客さん、前に来られましたよね。奥のテーブルで……」<br>
　まあ、たしかに私は印象に残りやすい風貌なんですけどね、それでもそうやって覚えていてもらえるってとってもうれしいです。<br>
　「また、お願いしま～す」<br>
　って、はいはい、また寄せていただきます。またまたそんな気分になれるお店に出会いました。<br>
　え？　味？　もちろん不味いはずないじゃないですか。<br>
　なんだか最近ね、天文館のお店を回遊していると、「2度と来ない」と思ってしまうお店、けっこうあるんです。バカ高かったり、威張り散らして愛想が悪かったり、平気で不味いもん出したり……。<br>
　でもこうやって頑張っているお店に出会うと、まだまだ天文館とその周辺も捨てたもんじゃないなと思います。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/8/0/80971994.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120420-L1031544" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">活〆地穴子とたらの芽のてんぷら780円。安いなあ……</span></span><br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/a/e/ae6e828d.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120420-L1031541" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">黒ぶたとん骨しょうゆ煮680円。半熟卵を絡めていただきます</span></span><br>
<br>
　ちょっと通ってみようかな。<br>
　ごちそうさまでした。<br>
<br>
<br>
]]> 
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<title>第千五百十八段　不在の理由</title> 
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<modified>2012-04-18T23:16:08Z</modified> 
<issued>2012-04-17T23:39:16+09:00</issued> 
<id>tag:blog.livedoor.jp,2012:tenmonkan.51928850</id>
<summary type="text/plain">遠くにアミュランをながめながら

　久しぶりの日曜日。ちょっと散歩に出てみました。カメラをぶら下げて撮影がてらという散歩はよくあるのですが、何の目的も持たずにただブラブラするというのはほんとうに久しぶり。ここのところちょっと忙しくて、ずいぶん窮屈な日々を過...</summary> 
<dc:subject>風景</dc:subject>
<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://www.office432.jp/archives/51928850.html">
<![CDATA[<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/b/c/bc0ad2bb.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120415-L1031455" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">遠くにアミュランをながめながら</span></span><br>
<br>
　久しぶりの日曜日。ちょっと散歩に出てみました。カメラをぶら下げて撮影がてらという散歩はよくあるのですが、何の目的も持たずにただブラブラするというのはほんとうに久しぶり。ここのところちょっと忙しくて、ずいぶん窮屈な日々を過ごしていたので、バネが巻ききれる前にちょっとゆとりを持とうかなと出かけたのです。<br>
　花の見頃もすんだので、甲突川沿いものんびりした雰囲気で、とても歩き安くなっていました。さて、どちらに足を向けようかな……。そうだ、たまには騎射場の方へ歩いてみようかとクスノキの並木が緑鮮やかな高麗本通りを選びました。<br>
　日曜日なので、残念ながら定休日のお店が多かったのですが、カフェやレストラン、雑貨店と新しいお店ができてなかなかおしゃれな通りになっていました。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/0/b/0be3deb7.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20120415-L1031459" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">こころなしか目が悲しそう</span></span><br>
<br>
　そういえばずいぶん前に「禁断の惑星」という映画に登場するロボット、ロビーのフィギアを買った雑貨屋があったはずだけど……。あらあ、店仕舞いしてしまったようです。お店の前には人懐こそうなラブラドールがつながれていました。とてもおとなしくて、とてもシャイで、カメラを向けると恥ずかしそうに横を向いてしまいます。<br>
　つながれているリードが少々短くて、かわいそうに、身動きできずにとても窮屈そうでした。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/a/6/a6055037.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20120415-L1031483" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">なんか、いい感じ。いい予感</span></span><br>
<br>
　中洲通を越えて荒田1丁目あたりで住宅街の中へ。静かな住宅街の中にぽつぽつといろんなお店がありました。なんだかとてもおしゃれな感じです。天文館とその周辺が雑然とした街になっているのと比べると、とても落ち着いていて散歩をしながらショッピングを楽しんだり、食事やお酒を楽しむのにいい感じかも……。などと歩いていると、住宅の間に気になる建物発見。<br>
　「まん○や」。看板には魚が踊っています。これはきっと、うまい魚を食べさせるゾ、という表れだなと。じゃ、お刺身をつまみながらビールの1杯でも飲んでいこうかな。そんな気分になりました。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/a/9/a929ab84.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120415-L1031463" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">文字通り「豪快盛り」</span></span><br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/6/4/64d793b3.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120415-L1031465" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">穴子の白焼き。プリプリでとてもおいしかった</span></span><br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/f/5/f5b2d7df.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120415-L1031466" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">河豚の唐揚げ。トラフグでした</span></span><br>
<br>
　これが大正解。ビール1杯のつもりが、お刺身、穴子白焼き、河豚唐揚げと、とんとんと進んでしまいました。ちなみにこのお刺身、「豪快盛り」は15点盛りでなんと1980円。驚きました。しかもどれもちゃんと仕事がしてありとてもおいしゅうございました。<br>
　なかなか人気のお店らしく、2階、3階は予約のお客さんで満席でした。<br>
　ちなみにいただいたお酒はというと、生ビール1杯、清酒黒龍4合、白ワインフルボトル……。お値段もお手頃でした。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/2/3/230166d2.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120415-L1031477" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">お店のみなさんはホールの女の子までみんな笑顔がチャーミングでした</span></span><br>
<br>
　お料理の写真を撮ってもいいですかとたずねたら、どうぞどうぞと。おまけに「私の写真はいいですか？」とお兄さんがいうので、じゃ1枚。とても楽しいいい感じのお店でした。また来たいなと思わせてくれるお店です。<br>
　何となく天文館から人が少なくなった理由がわかるなあと思ってしまいました。<br>
<br>
]]> 
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<title>第千五百十七段　ひとにいえない</title> 
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.office432.jp/archives/51924469.html" />
<modified>2012-04-18T00:32:28Z</modified> 
<issued>2012-03-31T13:11:41+09:00</issued> 
<id>tag:blog.livedoor.jp,2012:tenmonkan.51924469</id>
<summary type="text/plain">　え？　最近どうよって、なにかしら？
　ああ、食料事情ね。それが厳しいのよ。この公園はけっこう猫口（にゃんこう）密度高いんですのよ。生存競争激しいの。新入りも多いしね。昨日今日きたばかりのやつがでかい顔してのさばり歩いてるのよ。なに、も、やだわって感じ。ほ...</summary> 
<dc:subject>風景</dc:subject>
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<![CDATA[<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/5/6/56219c33.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120325-L1031045" hspace="5" class="pict"  /><br />　え？　最近どうよって、なにかしら？<br>
　ああ、食料事情ね。それが厳しいのよ。この公園はけっこう猫口（にゃんこう）密度高いんですのよ。生存競争激しいの。新入りも多いしね。昨日今日きたばかりのやつがでかい顔してのさばり歩いてるのよ。なに、も、やだわって感じ。ほんと感じ悪いの。<br>
　でも、この公園はましかも。親切なおばさんがいてね、毎日キャットフードを運んできては、あちこちの植え込みに猫数（にゃんずう）分置いてくれるのよ。ほんと助かるわ。生ゴミあさる必要もないしね。<br>
　でもね駆除してしまえていうひとも少なくないわ。そういうひとにいわせるとそのおばさんは迷惑よねえ。公園が汚れるってか……。<br>
　だからそのおばさん、器も全部持ってきて、私たちが食べ終わるのを待って後片付けして帰るのよ。ほんといいおばさんなのよ。「ほんとなら連れて帰ってあげたいのだけど、ごめんね」って、こっちまでついホロってきちゃうのよ。こんなに優しいひとばかりならねえ、私たちも路頭に迷うなんてことないんだけどねえ……。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/8/4/84ad17a5.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20120330-L1031128" hspace="5" class="pict"  /><br />　あたしゃあ完全に街猫。ねぐらはそこの空き家。細い路地がいっぱいでね、安全・安心という意味ではいいわよね。追い立てようというひともあまりいないし……、ていうか無視、無関心状態っていったほうがいいかも。勝手に住み着いてるって感じかなあ。<br>
　でもねやっぱり食べものには苦労するわよね。ご飯をくれるひとがいないのよ。だから、生きてくためにどうしようもなくて、ゴミあさったりするのよ。恥ずかしいけどね。仕方ないわ。勘弁してね。<br>
　最近はさあ、「地域猫」っていうの、お役所がお金出してくれて避妊手術してくれたりするのよ。余計なお世話だわって思わない？　思うわよねえ。私たちを増やさないようにってことらしいけど、なんだか抹殺されるみたいで怖いわよねえ。<br>
　避妊よりも食料よね、やっぱり。どこかの国のミサイルより食料てのといっしょよ。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/2/5/2538bbf3.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120326-L1031088" hspace="5" class="pict"  /><br />　ん？　俺？<br>
　悪いな、俺、ここの住人。家猫。飼い主は２人とも80歳代の年寄り夫婦なんだけど、よくしてもらってるよ。ここにきて14年。まあ、街猫や野良猫に比べて長生きだよね。申し訳ないな、ってなんで俺が謝らないといけないんだ。<br>
　でもさあ、ちょっと不安があるんだよね。そう、俺にも老後の不安みたいなもんがあるんだよ。いやね、飼い主のご亭主が倒れちまって、なんてんだ、その、「老々介護」ってやつか。そんなことになっちゃってるんだよな。奥さんも疲れちゃってな、見ててもかわいそうだよ。時々、そう、夜中なんか俺の顔をじっと見ながら「猫の手でも借りたいわ」ってボソってつぶやくんだよ。辛いぜ。<br>
　いまのところ飯にはありつけてるけどな、この先どうなるかちょっとわからないな。だからいまから街に慣れとこうと思ってこう外をながめたり、出歩いたりしてるんだ。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/d/6/d633d143.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120330-L1031140" hspace="5" class="pict"  /><br />　やっぱり働かないとね。ぼくも家猫なんですけどね、飼い主が内装工事やってんですよ。毎日その手伝いってとこです。勤労猫ってとこですかね。今夜はね工期が遅れるってことで、夜なべ仕事っすよ。そりゃ夜行性ですからね、夜は大丈夫っすよ。でもね、この作業着なんとかしてくれって感じですよね。なんかもうちょっと仕事してます感の漂う、ヘヴィーデューティっていうんですか、そういうのいいですよね、お願いしますよ。<br>
　でもこうやってみんなの声に耳を傾けると、みんなひとにいえない苦労があるんですね。苦労してるのは自分だけじゃないと思うと、ちょっと楽になりますか。<br>
　ささ、仕事、仕事。<br>
<br>
]]> 
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<title>第千五百十六段　味は財産</title> 
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<modified>2012-03-28T07:14:52Z</modified> 
<issued>2012-03-26T15:23:54+09:00</issued> 
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<summary type="text/plain">整然とおでんダネが並ぶ「四季」のおでん鍋

　「おでんの出汁を提案してくれって頼まれたんだけど……。おでんの出汁のことってわかります？」
　先だって枕崎のある鰹節屋さんを訪れた時、社長にそんなことを聞かれました。
　「おでんはあちこちでよく食べますが、つくる...</summary> 
<dc:subject>味</dc:subject>
<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://www.office432.jp/archives/51923200.html">
<![CDATA[<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/c/6/c6ace5de.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120126-L1015964" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">整然とおでんダネが並ぶ「四季」のおでん鍋</span></span><br>
<br>
　「おでんの出汁を提案してくれって頼まれたんだけど……。おでんの出汁のことってわかります？」<br>
　先だって枕崎のある鰹節屋さんを訪れた時、社長にそんなことを聞かれました。<br>
　「おでんはあちこちでよく食べますが、つくる方となるとよくわかりませんよねえ。難しいなあ」<br>
　そう答えながらいろんなことを思い浮かべました。<br>
　おでんとなると、お店によってそれぞれ味がちがいます。これがおでんを名物、売り物にしているお店となると、それはもう出汁からタネからカラシに至までこだわり抜いてつくっているというのが普通のようです。だから安直に「おでんの出汁を教えて」って言われてもそれは困るだろうなって、社長に同情してしまいました。<br>
　でも話を聞いていると昔とはずいぶん変わったんだなあと思いました。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/7/0/7067ab9e.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20120126-L1015962" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">とうふにはゆず味噌をのせて</span></span><br>
<br>
　出汁の引き方ってそのお店の企業秘密みたいなもので、決して他所には漏らさないし、逆に教えを請うようなものでもないというのが一昔前の料理人だったような。逆に言えば出汁も引けないのに料理人を名乗ってはいけないということだったのです。<br>
　「でも、最近は変わりましたよ」鰹節屋の社長は嘆くようにつぶやきました。「あちこちから出汁パックはないのかって問い合せがあるんですよ。普通の主婦を相手にするような小売店からならわかりますが、料理屋さんや業務用販売の商社からそんな問い合せがくるんです。誰でも簡単に出汁が引けるようにって」<br>
　その店のオリジナルの出汁を自分の手でつくり上げるのではなく、鰹節や出汁に詳しいとはいえ他人に任せてしまうのです。それでいいのだろうかと思ってしまいました。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/6/5/65315174.jpg" width="457" height="305" border="0" alt="20101030-DSCN5598" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">「分家無邪気」のおでんは味噌おでん。でも味はあっさりしている</span></span><br>
<br>
　鹿児島市内でおでんっていうと、私がよく耳にするのは千日町の「味の四季」さんと東千石町「分家無邪気」さん。どちらも創業50年を超える老舗です。そしてその歴史を築いてきたのがおでんなのです。<br>
　いつぞや四季の社長に出汁のことを聞いたことがあります。社長は「ムフッ」と笑ったまま答えてくれませんでした。はっきりしていることは、いつ行っても味が決して変わらないということ。<br>
　「50年同じ味を守り続ける」<br>
　言葉でいってしまえばそれだけですが、これがいかに大変で難しいことかは分家無邪気の大将の言葉でわかります。<br>
　「出汁は注ぎ足し注ぎ足して58年。毎日火を入れるのは盆も正月もありません。そうして育ててきたっていう感じですね」<br>
　58年というと、分家無邪気のおでん出汁は私と同じ年なのです。<br>
　でも話してくれたのはそこまで。出汁のレシピまでは教えてもらえませんでした。それは長い手間ひまをかけて大勢の客の信頼を勝ち取った、いわば財産のようなもの。当然といえばあまりにも当然の話です。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/3/d/3d179cbe.jpg" width="305" height="457" border="0" alt="20120209-0635" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">これで１人前。味もボリュームもいうことなし。「とくちゃん」浩子母さんのおでん</span></span><br>
<br>
　もう１つ忘れてならないのは、出汁って何も料理屋さんにとってだけ大切なものじゃないってことです。最近は死語のようになった感がありますが、「おふくろの味」という言葉があります。この言葉がいつ頃から語られなくなったか、そんなことをぼんやり考えてみました。そうしてなんとなく思い当たりました。<br>
　多分インスタントやレトルト、それのファミレスやファストフードがじゃんじゃん出始めるのと交替するように、この言葉の影が薄くなっていったんだと。手間ひまかけて家で料理することが少なくなったのでしょうね。普通に鰹節を削って出汁を引いて料理をする。一昔、いえ昭和の頃はまだまだ普通だったことが、いまとなってはとても特別なことのように感じられるのです。<br>
　大好きな居酒屋があります。名山堀の「とくちゃん」です。ここの浩子母さんのおでんはとてもおいしいのです。四季や分家無邪気のように長年手間ひまをかけてというものではありません。でも負けないくらいおいしいのです。<br>
　四季が50年、分家無邪気が58年。でもとくちゃんは浩子母さんの人生の長さだけ、いいえ、そのお母さん、またそのお母さんから、ずっと受け継いできたその家だけの味を守り通してきた「おふくろの味」そのものなのです。<br>
　だからまずいはずはないのです。<br>
　鰹節屋の社長に「おでんの出汁を提案してくれ」と頼んだ料理人は、これからおでんのお店を開店するのだそうです。なんとなく長続きしないだろうな、そのお店。そんなふうに思うのは、きっと私だけではないでしょう。<br>
　「出汁ってそんなに簡単なものじゃない」<br>
　鰹節屋の社長の一言が耳に残りました。<br>
<br>
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<title>第千五百十五段　ちゃんとしてます</title> 
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.office432.jp/archives/51921323.html" />
<modified>2012-03-23T01:16:09Z</modified> 
<issued>2012-03-19T15:40:43+09:00</issued> 
<id>tag:blog.livedoor.jp,2012:tenmonkan.51921323</id>
<summary type="text/plain">　「ここさあ、絶対いいから。ね、おいしいから。みんなで行きましょうよ。ちょっと遠いけどさ……」
　「でもそんな遠くまで……。どうせ飲むんだからタクシーや代行使うと高くて大変でしょうが」
　「だからさバスで行くんだよ」
　「バスって最終便早いでしょう。ゆっくり...</summary> 
<dc:subject>お店</dc:subject>
<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://www.office432.jp/archives/51921323.html">
<![CDATA[<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/d/d/ddcfd888.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120318-L1030945" hspace="5" class="pict"  /><br />　「ここさあ、絶対いいから。ね、おいしいから。みんなで行きましょうよ。ちょっと遠いけどさ……」<br>
　「でもそんな遠くまで……。どうせ飲むんだからタクシーや代行使うと高くて大変でしょうが」<br>
　「だからさバスで行くんだよ」<br>
　「バスって最終便早いでしょう。ゆっくりできないじゃないか」<br>
　「だから行きはバス。帰りはJR伊集院駅までタクシーに乗って、これなら1000円くらいだからね。で、JRで帰ってくればいいよ」<br>
　そんなふうに誘われ続けて、ようやく行ってきました。伊集院の韓国料理のお店「青紗一籠（ちょんさちょろん）」さんです。私は全然知りませんでしたが、けっこう有名なお店だそうで、私のまわりのひとで知っているというひとは少なくありませんでした。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/b/7/b7dff4d3.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20120318-L1030946" hspace="5" class="pict"  /><br />　着いたのは清藤（きよふじ）というバス停。まわりにはぽつぽつしか家のない、田園風景のど真ん中でした。黄昏時でしたからまわりの風景はあまり見えませんでしたが、昼間なら、それも晴れた日ならずいぶん長閑で気持ちいいだろうなと思いました。で、めざす「青紗一籠（ちょんさちょろん）」はすぐ目の前。鹿児島市内からちょうど40分で到着です。森の中に静か建つ姿は、照明も控えめで、とても落ち着いた風情でした。客を玄関口まで誘う青い紗をかぶせた提灯が、なんとなく暖かい空気を漂わせていました。<br>
　「青紗一籠（ちょんさちょろん）」は「青紗草籠（ちょんさちょろん）」李朝時代、役人が宮中や夜外出する時に使われていた青い紗で周りを囲った明かりのことですが、いま、韓国では儀式や結婚式でよく使われ「闇を明き、正しい道へと導く」 という意味があるそうです。<br>
　そういう設えで出迎えてくれるということは、ちゃんとした韓国の料理が食べられるんだなと、期待が膨らみます。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/c/f/cf03fa0c.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20120318-L1030952" hspace="5" class="pict"  /><br />　玄関を開け中に入ると、チマチョゴリに身を包んだ女性が現れました。予約をしていると告げると、<br>
　「お待ち申しておりました。どうぞお上がりください」<br>
　と満面の笑顔と丁寧な言葉が返ってきました。<br>
　座敷のいちばん奥のテーブルに。だれかが暮らし続けてきた民家を、そのままお店にしたのでしょう。町中にはいまアンティークを装った店舗がお洒落だと評判になっていますが、やはり本物には勝てないなと思いました。壁や柱や、天井、床、様々な暮らしの痕跡が目につきます。まさに「手沢」というやつです。ひとの手が時代を残し時を刻んでその風景が出来上がる。汚れや傷が、暖かみや輝きを放つようになるのです。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/0/5/054dc43c.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20120318-L1030948" hspace="5" class="pict"  /><br />　料理についていろいろと語る必要はないでしょう。いろいろいただきおいしかったのはもちろんのことです。でもそれ以上にいいなと思ったことがありました。<br>
　どれもボリュームたっぷりなのです。1人でいっぱい食べるのもいいですが、大勢で取り分けて食卓を囲む、そんな感じがいいなと思いました。まわりのテーブルは家族連れが大半。みんなで1つの料理を囲んで楽しそうです。<br>
　そして何よりいいなと思ったのは、お店のひとがみんなにこやかで、丁寧で、すべての客に分け隔てなく接しているということです。見ていてとても気持ちよくなりました。<br>
　何か運んできてもらう度に、こちらも「ありがとう」と自然に応じているのです。だからみんな少々遠くても足を運ぼうという気になるんですね。<br>
　それからもう１つ。とてもお安いということ。<br>
　どうぞ安心してお出かけください。ちゃんとしてます。<br>
<br>
]]> 
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<name>tenmonkan</name> 
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<title>第千五百十四段　気取ってどうすんの</title> 
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.office432.jp/archives/51920042.html" />
<modified>2012-03-14T06:10:46Z</modified> 
<issued>2012-03-14T15:10:46+09:00</issued> 
<id>tag:blog.livedoor.jp,2012:tenmonkan.51920042</id>
<summary type="text/plain">
　イタリアンってあんまり馴染みがないのです。ええ、私がお洒落じゃないってことがいちばんの理由ですが、少々お高いことも手伝ってイタリアンレストランには滅多に足が向かないのです。どちらも少々お高いなら、寿司屋で日本酒の方を選んでしまいます。これが悲しい「オヤ...</summary> 
<dc:subject>お店</dc:subject>
<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://www.office432.jp/archives/51920042.html">
<![CDATA[<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/7/7/771e7172.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20120227-L1030288" hspace="5" class="pict"  /><br /><br>
　イタリアンってあんまり馴染みがないのです。ええ、私がお洒落じゃないってことがいちばんの理由ですが、少々お高いことも手伝ってイタリアンレストランには滅多に足が向かないのです。どちらも少々お高いなら、寿司屋で日本酒の方を選んでしまいます。これが悲しい「オヤジ」の性かどうかは、みなさんの判断に委ねたいと思います。<br>
　イタリアンが少々お高くつくのは、一概にお店が高級だからだとばかりは申しません。結局は私の飲み方に問題があるのです。つまり「何を飲むか」よりも「何本飲むか」が問題になるのです。しかもワインリストなど丁寧にチェックせずにお任せしちゃうもんだから、お店の方は「こいつ、持ってるな」とついつい勘違いしてしまわれるようです……。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/8/f/8f2d4a27.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20120227-L1030292" hspace="5" class="pict"  /><br /><br>
　お邪魔したのはグルメ通り「Vuoto」さん。「cafe&Pranzo」ということで、私の乏しい語学力でいうと「カフェとお昼ご飯」ということになるでしょうか。まあ、イタリアのゆったりとしたランチをイメージしたらいいのでしょうか。まあゆっくり食事を楽しみましょうということだなと、こちらもゆったりした気分で出かけました。<br>
　お願いしたのはチーズフォンデュ。私、これけっこう好きなんです。ええ、似合いませんけどね。ちなみにチーズフォンデュとバーニャカウダはワインのお供って感じです。片手にワイングラスを持って、片手でいただく、飲んべえにはありがたいことになっています。ああ、やっぱり飲むんだ……。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/f/0/f07c83bc.jpg" width="305" height="457" border="0" alt="20120227-L1030290" hspace="5" class="pict"  /><br /><br>
　こちらのシェフは元々中華料理のご出身だとか。店内は特別お洒落でもなく、特別凝るでもなく。どちらかと言えばカジュアルで、ごく普通の感じ。でも、うまいもんはうまい。スタイルやジャンルにこだわるのではなく、「おいしい料理を提供する」と味にこだわる、当たり前のことだけれど、最近少なくなった職人的シェフのあり方を思い起こさせてくれます。今時まっとうな人だなと思いました。チーズフォンデュ、おいしくいただきました。最後に残ったチーズをかりかりに焦がして、これがまた……。<br>
　ワインはハウスワインを。「そんなにお高いものじゃございません。でもおいしいものを選んでおります」と。いいじゃないですか、それ、いただきます。私にはぴったりです。結局２本はいただきました。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/4/0/40307abc.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120227-L1030293" hspace="5" class="pict"  /><br /><br>
　ちらっとメニューに目をやると、これがどれもとてもお安いのです。お腹はいっぱいでしたが、それじゃあということでパスタを。トマトソース、いわゆるナポリタンってやつです。これがまた、私は好みの味でした。<br>
　食べ、飲みながらずっと考えていました。<br>
　「気取る」<br>
　ということです。<br>
　このお店、気取った人には向かないかもしれません。そいゆう人は１人で何万も払って、その満足感でお腹をいっぱいにしたらいいでしょう。遣ったお金の分だけ金持ち気分に酔えばいいでしょう。<br>
　でも、私はそんなのごめんです。このお店が「pranzo」をうたい文句にしている意味がなんとなくわかりました。自分のお家で、家族と一緒に、ゆっくりゆったり昼食を楽しんでいるような空気がいいです。<br>
　気取ってご飯を食べることのつまらなさ、教えていただきました。<br>
<br>
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<title>第千五百十三段　5分もあればカウンター</title> 
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.office432.jp/archives/51918496.html" />
<modified>2012-03-11T22:29:12Z</modified> 
<issued>2012-03-08T12:17:37+09:00</issued> 
<id>tag:blog.livedoor.jp,2012:tenmonkan.51918496</id>
<summary type="text/plain">
　天文館新宿街は私の好きな場所です。天文館にあって昭和を感じさせてくれる数少ない場所なのです。小さな狭い路地の中に小さな飲み屋が肩を寄せ合うように並んでいるのです。私が通うのは路地のいちばん奥、「花小路」というお店です。いえ、そんなに足繁く通うわけではあ...</summary> 
<dc:subject>酒・酒場</dc:subject>
<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://www.office432.jp/archives/51918496.html">
<![CDATA[<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/4/5/45912616.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20111217-L1014985" hspace="5" class="pict"  /><br /><br>
　天文館新宿街は私の好きな場所です。天文館にあって昭和を感じさせてくれる数少ない場所なのです。小さな狭い路地の中に小さな飲み屋が肩を寄せ合うように並んでいるのです。私が通うのは路地のいちばん奥、「花小路」というお店です。いえ、そんなに足繁く通うわけではありません。1月に1度、いや2月に1度程度です。でも、忘れることはないのです。事務所から近いこともあり、雨が降っていたり、1日ばたばたして忙しかったり、長い距離を移動することなく早く落ち着きたいと思った時に足が向くのです。え、そんなに近いのかって？　ええ、5分もあればカウンターです。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/c/5/c5b56080.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20120307-L1030454" hspace="5" class="pict"  /><br /><br>
　5人も座ればいっぱいになるカウンターに、小さなテーブルが1つ。昔「小さなスナック」といううたがありましたが、「小さな居酒屋」などといううたができそうなくらいです。<br>
　小さいということは、客同士、客と女将の距離が近いということで、いつもわいわいにぎやかだということです。1人で黙って飲んで、ひとの話にニタニタすることの多い私でも、このカウンターに来ればかならず話題に引き込まれます。そうやって老若男女を問わずみんなが一通り自分の話をして、ひとの話を聞くのです。<br>
　自分のことばっかりしゃべる客には女将がやんわり言います。<br>
　「あんたがおしゃべりだからって、おばちゃんは何にも怒ってないからね！」<br>
　そのひと言でうまく話は回るのです。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/7/c/7c34b068.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120307-L1030449" hspace="5" class="pict"  /><br /><br>
　この夜はてづくりの野菜コロッケとイカと大根の煮付け、それに豚足が大皿に盛られてカウンターに。客はそれを指さして注文します。それだけではありません、壁にはその日のメニューが白板にぎっしり書き込まれて掛けられています。どれもこれも女将が材料から仕入れてちゃんと手間暇掛けて準備したものばかりです。<br>
　「家庭料理やからね、たいしたことないわよ」<br>
　女将はそういいますが、わたしは大したものだと思います。<br>
　この夜私がいただいたのは「イカ大根」「ホウレンソウの卵とじ」「コロッケ」そして「鶏めし」。焼酎は伊佐錦を水割りで。まさに晩酌といった感じです。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/9/c/9ca91409.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20120307-L1030451" hspace="5" class="pict"  /><br /><br>
　相客は会社勤めの男性と写真のご夫婦。みなさんよく飲み、よく食べ、よくしゃべり、あーあ、楽しかったって笑顔で帰っていきました。私は1人取り残されてしばし女将とおしゃべり。早いもので私がこのお店をのぞくようになって6年。ずいぶん長く通っているように思います。<br>
　「天文館も変わったねえ……」<br>
　女将がつぶやきました。<br>
　「そう。どんなふうに？」<br>
　「ひとが少なくなったわよ。うちはまだ、うちをめざして来てくれるお客さんが多いからね。でも暇になったよ」<br>
　「不景気なのかねえ」<br>
　「でも、不景気っていっちゃえばみんないっしょだからね。辛抱のし時だって思ってるのよ」<br>
　「そうだねえ」<br>
　そんな会話をしながら、すっかり天文館の客になりきっている自分に気づきました。<br>
　「あんたは鹿児島の親父たちより天文館知ってるかもね」<br>
　路地の表まで響きそうなくらい大きな声で女将は笑いました。<br>
<br>
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<name>tenmonkan</name> 
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<title>第千五百十二段　お手伝い</title> 
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.office432.jp/archives/51917539.html" />
<modified>2012-03-04T22:21:38Z</modified> 
<issued>2012-03-05T07:21:38+09:00</issued> 
<id>tag:blog.livedoor.jp,2012:tenmonkan.51917539</id>
<summary type="text/plain">焼き上がった宋艸窯 鰹節木灰釉刷毛目「器」シリーズ

　暮らしの中の道具ってなんだろう……、ってよく考えます。
　たとえばごはん茶碗とか湯のみとか皿とか箸置きとか。「それ」を選んで「それ」を使う理由ってあるのだろうか。
　ただただおしゃれだから？
　かわいいか...</summary> 
<dc:subject>文化</dc:subject>
<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://www.office432.jp/archives/51917539.html">
<![CDATA[<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/6/7/6712c2f1.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120304-L1030398" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">焼き上がった宋艸窯 鰹節木灰釉刷毛目「器」シリーズ</span></span><br>
<br>
　暮らしの中の道具ってなんだろう……、ってよく考えます。<br>
　たとえばごはん茶碗とか湯のみとか皿とか箸置きとか。「それ」を選んで「それ」を使う理由ってあるのだろうか。<br>
　ただただおしゃれだから？<br>
　かわいいから？<br>
　手に馴染むから？<br>
　使っていくうちに愛着がわくだろうなって思えるから？<br>
　つくり手の感性が好きだから？<br>
　いろんな理由があってかまわないと思うし、そこに自分だけの理由があるともっと素敵かなと思います。<br>
　でも使う側、選ぶ側から、つくる側に立場を移すどうなるのかな？って考えました。「つくるひとは、なぜこれをつくったのかな」って「つくった理由」がちゃんと伝わるのかなって。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/6/1/61e8808b.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20120108-L1015599" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">いろいろ意見を出し合いながら企画会議</span></span><br>
<br>
　この数年鰹節屋さんと仕事をしています。<br>
　鰹節といえば最近本物志向、出汁ブームなど、伝統的な食材を見直そうということで注目を集めています。「削り節」のパックではなく、「節」を買い求める人もたくさんいます。便利なだけじゃなくて、ちゃんと手間をかけておいしいものを食べたいという思いの表れなのでしょう。選ぶ側にはそういう理由があります。<br>
　じゃあつくる側はどうなのでしょう。<br>
　枕崎は日本一の鰹節の産地。400年も鰹節を昔ながらのやり方でつくり続けています。1本の本枯れ節をつくるのに短くて半年、気が遠くなるような手間暇をかけてつくるのです。もっと簡単につくれるのになって思ったりもします。でもつくり手は言います。<br>
　「本物の味を正直につくり続けたい」<br>
　と。「本物」の裏返しが昔ながらのやり方で手間暇をかけてということになります。ちょっとでも省いたり、短縮したりすると、本物ではなくなるのです。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/7/7/777db544.jpg" width="305" height="457" border="0" alt="20090209-DSCN1600" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">工場で出番を待つ大量の薪</span></span><br>
<br>
　本物を守るためにつくり続ける。これがつくる側のつくる理由なのです。<br>
　ところで、鰹節はカツオの身を煮て乾かして燻し、何度もカビをつけ天日で乾燥してつくります。その工程で大量の薪を使うのです。そして大量の灰が出ます。この灰を使えないか……。混ざりもののない自然な灰です。いままではその鹿児島の特産品「あくまき」をつくる灰汁に使うくらいでした。がそれをもっとうまく使えないかと。<br>
　鰹節をつくる工程で出てきたものを、徹底的に活用する。自然の恵みを使い切るということです。それも「正直につくる」ということなのです。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/2/c/2cb2781e.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120108-L1015604" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">「ここをこんなふうにしたらどうでしょう」次々にアイデアがでる</span></span><br>
<br>
　出会いは偶然のようなものでした。<br>
　陶芸家の竹之内彬裕さん（日本工芸会正会員）は鹿児島にあって、長年「用の美」ということを考え焼き物と向き合ってきました。「用の美」というのは、くだいていえば「ふさわしい在り方で使われてはじめて美しい」と考えればいいかもしれません。そのもの自体が美しいのはもちろん、道具としての存在が美しい。そんなことでしょうか。竹之内さんがつくるものには、つくられなければならない暮らしの中の理由がいっぱいこめられているのです。<br>
　土であり、釉薬であり、炎であり、あらゆる自然の力をひとつにまとめ上げて1個のごはん茶碗をつくるのです。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/5/b/5b6a7a6d.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20120304-L1030420" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">奥さんと竹之内彬裕さん</span></span><br>
<br>
　「その灰、使ってみましょうか」<br>
　竹之内さんのひと言でものづくりがはじまりました。<br>
　鰹節屋さんも灰を渡してすべてを委ねるのではなく、本物の鰹節でちゃんと出汁を取った料理を並べる食卓にふさわしい「器」の在り方をいっしょに考えました。そしてできたのが、<br>
<br>
　宋艸窯 鰹節木灰釉刷毛目「器」シリーズ<br>
<br>
　です。これは4月から「伝承工房鰹家」さんのホームページで売り出されるそうです。私も少しだけお手伝いしました。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/0/e/0ef3051c.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120304-L1030429" hspace="5" class="pict"  /><br /><br>
<span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">竹之内彬裕（たけのうちあきひろ）略歴<br>
昭和12年　鹿児島に生れる<br>
昭和42年　現在の地に宋艸窯築窯<br>
昭和59年　九州山口陶磁展　朝日新聞社賞（産業部門）<br>
昭和60年　日本伝統工芸展入選<br>
昭和61年　日本伝統工芸展入選<br>
　 〃　　　西部工芸展　朝日新聞社金賞<br>
昭和62年　日本伝統工芸展入選<br>
　 〃　　　西部工芸展　朝日新聞社銀賞<br>
　 〃　　　西日本陶芸展入選<br>
昭和63年　日本伝統工芸展　日本工芸会長賞<br>
＜日本工芸会正会員＞</span></span><br>
<br>
]]> 
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<title>第千五百十一段　ほんとにぼくはへたくそなんだ</title> 
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<modified>2012-02-29T16:32:11Z</modified> 
<issued>2012-02-25T02:38:34+09:00</issued> 
<id>tag:blog.livedoor.jp,2012:tenmonkan.51915610</id>
<summary type="text/plain">西口克己「祇園祭」
いま読んでいる本1冊目。時代小説に関心があって、西口克己小説集を読み直している。
活劇としての時代小説ではなく、圧政に抗う民衆のありのままを描くそれを。

　「ミステリの原稿は夜中に徹夜で書こう」
　こんな素敵なことを言ったのは、多分植草甚...</summary> 
<dc:subject>本</dc:subject>
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<![CDATA[<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/d/6/d650ca62.jpg" width="305" height="457" border="0" alt="20120207-IMG_0627" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">西口克己「祇園祭」<br>
いま読んでいる本1冊目。時代小説に関心があって、西口克己小説集を読み直している。<br>
活劇としての時代小説ではなく、圧政に抗う民衆のありのままを描くそれを。</span></span><br>
<br>
　「ミステリの原稿は夜中に徹夜で書こう」<br>
　こんな素敵なことを言ったのは、多分植草甚一さんだったと思う。そう1984年だか85年に上梓された本のタイトルだった。<br>
その中のいちばん最初のコラム『こんどのクリスティーはどうだろうか』の冒頭には、こんなことが書かれていた。<br>
<br>
<blockquote>「いま読みかけのミステリが4冊ある。1冊ずつ片付けてしまえばいいのに鉢合わせになるおもしろさというのがミステリにはあるから、いつもこうなってしまうし、そこへまたほかのが割り込んだりするので途中まで読んでつまらなくなったのは、いつのまにか題名まで忘れてしまっている」</blockquote><br>
　植草さん、いや親しみをこめて「J.J.おじさん」と呼ぼう、J.J.おじさんのコラムはいつもこんな書き出しではじまる。それがジャズの話でも、映画の話でも、小説の話でも、こんなふうな日常の断片からふらっとはじまるのだが、いつのまにか読み応えのある評論になっていく。ぼくがまねしようかな、なんて思っても足もとにもおよばないや。だからJ.J.おじさんが亡くなって35年近く経つのにいま読んでも、へえこいつはすごいやって感心させられる。ジャズのことやら、映画のことはほとんどJ.J.おじさんのコラムで勉強したといってもおおげさじゃない。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/c/a/cad23015.jpg" width="305" height="457" border="0" alt="20120213-IMG_0656" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">岡本仁「続・ぼくの鹿児島案内」<br>
26日にイベントでご一緒する岡本さんを知るために読んでいる。軽快なコラムで構成されている。</span></span><br>
<br>
　えっ、いったい何がいいたいのかって？<br>
　じつはぼくはいま、4冊の本を読みかけているんだ。おじさん、そう、おじさんでいいよね、おじさんのように4冊ともミステリならかっこういいんだろうけど、ぼくの場合はいろんな本をごっちゃに読んでしまうスタイルなのであまりおしゃれじゃない。ぼくって人間がそんなにおしゃれじゃないからしかたないじゃないか<br>
　4冊も1度に読むと頭の中に入らないんじゃないかって人によくいわれるんだけど、ほんとうのことをいうといまちょっとした原稿を書かなきゃならないので、その資料、参考にと、もう5冊ほど多く読んでいる。でもこの5冊は最初から最後まで読み通すというのじゃなくて、必要なところだけでいいから、いってみればつまみ食いのようなものだね。<br>
　これが締め切りが迫って、けっこう大変なんだ。自慢するわけじゃないけど、ここ数日お酒も飲まない夜が続いている。<br>
　だったら必要のない本は何も読まなきゃいいのにっていわれそうだな。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/6/8/6859beb9.jpg" width="305" height="457" border="0" alt="20120225-IMG_0725" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">和田博温「焼酎はおもしろい」<br>
著者・和田さんからいただいた。焼酎蔵を丁寧に取材し、じっくり味わい、楽しみながら書いたという雰囲気が漂う。<br>
焼酎飲みのバイブルだ。</span></span><br>
<br>
　ぼくは書くのが忙しくなればなるほど本を読みたいって思う質なんだろうか、明日がもう締め切りだってときも本を読まずにはいられない。それも自分が書いている原稿とはなんの関係もない本をだ。<br>
　文筆を仕事としている人と話をすると、原稿執筆中は参考になる本以外や資料以外は読まないという人が多い。人の文章に引っ張られたり、気になったりするからだそうだ。ひと言でいうと影響を受けるということなのだろう。そうなるとぼくなんかは影響を受けやすいタイプだから、読んじゃいけないってことになるんだろうな。<br>
　でもぼくは読む。そして影響を受けるどころか、うまいなあ、いいなあとつくづく感心してしまうのだ。ぼくはなんてへたくそなんだって。いま読んでる4冊もどれもとてもうまい。ぼくなんかとはまったく別物だなって感心してる。ほんとにぼくはへたくそなんだ。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/4/0/401c9799.jpg" width="305" height="457" border="0" alt="20120225-IMG_0726" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">井上理津子「最後の色街　飛田」<br>
「大阪下町酒場列伝」から注目してきた書き手だ。12年をかけて取材をしたというエネルギーと女性だからこその視点が、最後の色街を描き出す。あたかも織物を織り上げるように。</span></span><br>
<br>
　でもそのことがわかればOK。べつに文章のうまいへたで書き手の値打ちが決まるわけでもないしね。<br>
　ぼくはぼくだ。<br>
　自分が書きたいこと、書かなければならないこと、書こうとしていることが、ちゃんとかけているかどうか、それが問題だ。<br>
　誤解を恐れずにいうと、バーナード･リーチがいったように、模倣することと影響を受けることは次元の違う話だ。書いている最中にひとの本を読み感心する。そうだ、こんなふうに書けばいいのか、って。それを自分のことばにおきかえてみる。なるほどね、って。でもそれでおしまい。あとは自分の頭で考える。ぼくはへたくそだって自覚しているから、ひとのことばをまねてうまく書くなんて必要もない。ちゃんと書きたいという思いが強くなるだけ。<br>
　それに、本を読むことも、文章を書くことも、考えることとイコールなんだとぼくは思っている。ぼくの「忙しい」ってときは、「考えたい」ってときなんだろうな。だから本に手がのびるのかもしれない。だけど、書かなきゃならない原稿そっちのけで本を読んだり、こんな文章を書いたりしてるから、ぼくの場合は「書かなきゃならない原稿は夜中に徹夜で書こう」ってなる。<br>
<br>
<br>
<br>
]]> 
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<title>第千五百十段　口舌の徒</title> 
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<modified>2012-02-24T17:49:18Z</modified> 
<issued>2012-02-17T21:39:49+09:00</issued> 
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<summary type="text/plain">私のもうひとつの仕事場。鹿児島シティエフエムのスタジオ

　「無から有を生み出す」はまだいい方です。「売文稼業」もまだまだまし。ひどくなると「口舌の徒」などと呼ばれたりします。いや、私の仕事のことです。
　たしかに自分のいいようにものを書き、新聞や雑誌、ある...</summary> 
<dc:subject>仕事</dc:subject>
<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://www.office432.jp/archives/51913932.html">
<![CDATA[<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/3/2/323d32de.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20090505-L1012460" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">私のもうひとつの仕事場。鹿児島シティエフエムのスタジオ</span></span><br>
<br>
　「無から有を生み出す」はまだいい方です。「売文稼業」もまだまだまし。ひどくなると「口舌の徒」などと呼ばれたりします。いや、私の仕事のことです。<br>
　たしかに自分のいいようにものを書き、新聞や雑誌、あるいは書籍にして売り、なにがしかの金を得て生きている。うまく編集者をまるめこんで原稿料をせしめているようなもんだと、つい自嘲したくなるときもあります。<br>
　おまけに私には湿っぽいカウンターと安酒の影がつきまとうようです。いやはやこれはもう、瘋癲（フーテン）といってもわからないだろうし、無頼といえばかっこうよすぎるでしょうか。まっ、まともな生き方をしていないことだけは、あたっているようようです。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/7/b/7b68e8ef.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20090126-L1010463" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">「清水哲男の鹿児島裏表」という番組を持っているが、これはその相方である</span></span><br>
<br>
　経歴を問われると、さらにややこしくなります。大学は出たものの、まともな職には就かず35年以上過ごしてきました。そう、自分がネクタイを締めて毎朝通勤する姿など、想像することすらできなかったのです。アルバイトをして金が貯まると、日本を歩いて何周かし、海外も放浪しました。そして金が底をつくと、またアルバイトをする。それがそのまま生き方になったのです。お陰で職歴は、コピーライター／宅配便ドライバー／スナック店長／ホテル清掃／建築労働者／割烹の下働き／書店経営／屎尿処理車助手／客引き／ヒモ／作家とすさまじいものがあります。<br>
　その間に、30冊以上の本を書いて出してきました。どれも売れない本です。先だってもある大学の先生から「資源の無駄遣い」だと笑われました。<br>
　そんなとき、ふと考えこんでしまいます。私はなんのために生きているのだ、と。そして打ち消すように思のです。<br>
　「そんな堅苦しいこと……、いいじゃないか、空気の中から言葉を紡いで、空気のなかに返す。一瞬でも触れた人が、なにかを感じる。多くなくていい。1人でもいればいい。んっ『無から有を生み出す』も『口舌の徒』も当たってるじゃないか」と。<br>
　「でも……」FMラジオのパーソナリティの相方が言いました。「ちゃんと文字にしているだけでもマシかもですよ。世の中には言葉を電波に乗せて、それこそ一瞬に消してしまうという本物の『口舌の徒』だっているんだし」と。<br>
　慰めてくれたつもりなのでしょうが、最近パーソナリティや講師、講演の仕事が増えた私はつぶやくのです。<br>
　「ああ、ほんとうに口舌の徒だ。いっそのこと口先三寸で生きてやろうか」<br>
　すると相方にすかさず突っ込まれました。<br>
　「舌先三寸ですよ、口もダメですね」<br>
　と。<br>
　残念……。飲むしかないですね……。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/0/4/044fad08.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120118-L1015764" hspace="5" class="pict"  /><br /><br>
<br>
<br>
]]> 
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<name>tenmonkan</name> 
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<title>第千五百九段　餌食</title> 
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<modified>2012-02-13T02:59:51Z</modified> 
<issued>2012-02-11T15:03:27+09:00</issued> 
<id>tag:blog.livedoor.jp,2012:tenmonkan.51912601</id>
<summary type="text/plain">シェフの動きを見ているだけでも楽しい

　酒飲みってさあ、って酒飲みの私が言うのもなんですが、きりがないというか……。散々飲んだあげく、帰りがけに、じゃ、締めにもう1杯などということを平気でつぶやくのですよ、これが。
　「だいたいこの不景気で、最近は天文館も...</summary> 
<dc:subject>自己崩壊プログラム</dc:subject>
<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://www.office432.jp/archives/51912601.html">
<![CDATA[<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/2/5/25198d9b.jpg" width="457" height="305" border="0" alt="20090224-L1011180" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">シェフの動きを見ているだけでも楽しい</span></span><br>
<br>
　酒飲みってさあ、って酒飲みの私が言うのもなんですが、きりがないというか……。散々飲んだあげく、帰りがけに、じゃ、締めにもう1杯などということを平気でつぶやくのですよ、これが。<br>
　「だいたいこの不景気で、最近は天文館も人が少なくなっちゃったから、我々のような飲兵衛が少々頑張らないと地域経済も盛り上がらない」<br>
　などと厚顔無恥な雄叫びを上げながら、人通りの少なくなった歩道をよんごひんごしながら歩くのです。時間でいうと午前1時とか、2時とか……。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/5/3/53fc5b4d.jpg" width="305" height="457" border="0" alt="20120210-IMG_0638" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">じゃあ、1杯だけということで。つまみは無しね</span></span><br>
<br>
　この時間になると、開いているのはラーメン屋や24時間営業の大衆食堂に牛丼のチェーン店くらいでしょうか。<br>
　「いやあ、この時間はラーメンは健康に悪いし、大衆食堂じゃな。牛丼もきついし」<br>
　などとキョロキョロしながら歩くのです。もちろんまだ灯を落としていない看板を探しながら。するとけっこう頑張って開けているお店があるんです。ええ、看板の灯を落とすの忘れて後片付けをしているお店を含めて……。まさに「餌食」ですね。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/c/3/c32261e9.jpg" width="457" height="305" border="0" alt="20120210-IMG_0639" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">ああ、やっぱり鴨のコンフィを。せっかくですからねえ</span></span><br>
<br>
　昨夜の餌食、じゃなかったお店は、「ビストロ･エッサンス･ド･タニヤマ」。二官橋通りと山之口本通りの交差点、ケーキ屋さんの2階にあるフレンチのお店です。信号待ちをしていて、ふと見上げると、まだ照明もガンガン点いてるじゃないですか。大きな窓なので中の様子も。お客さんはいるのかどうかわかりませんが、とにかく階段を2階へ。<br>
　こちらは午前2時までの営業。まだもう少し間がありますか……。<br>
　「いらっしゃいませ」<br>
　すでに後片付けにかかっていましたが、快く迎え入れていただきました。<br>
　「すみません、ワインを1杯だけ」<br>
　「承知しました。じゃあ、自家製のビーフジャーキーでも」<br>
　「飲み屋代わりに使っちゃってごめんなさいね」<br>
　「いいええ、いいんです。気軽にのぞいていただけるのがありがたいです」<br>
　酒飲み冥利に尽きる言葉です。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/5/9/59273c50.jpg" width="457" height="305" border="0" alt="20120210-IMG_0640" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">てなことで、まだ飲むんだ。どっちが餌食!?</span></span><br>
<br>
　カウンターメインの15人入れるのかなあ、13人くらいかなあという小さなかわいらしいお店ですが、オープンキッチンで自分がオーダーした料理がどんな手順で出来上がるのかを楽しみながら飲めるので、私は好きです。<br>
　「1杯ですむかなあ」<br>
　と悩んでいると<br>
　「じゃあ、デキャンタでどうぞ。3本になるとボトル1本ですから」<br>
　そうなると、何かつまみたくなるものなのですよ。<br>
　「じゃあ、夜中ですけど、鴨のコンフィを」<br>
　「かしこまりました」<br>
　結局暴飲暴食は夜中も続くのです。餌食になったのは、どっちでしょう!?<br>
　カウンターを挟んでいろんなことを話して、笑って、ああ、きっとビストロってこんな感じなんだろうなあと思わせてくれます。<br>
　大きな窓から見えるのは信号とタクシーのテールランプだけ。とても寒そうですが、ここは温々。<br>
　夜中にほんとにありがとうございました。<br>
　天文館の夜は楽しく更けていきます。<br>
<br>
]]> 
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<name>tenmonkan</name> 
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<title>第千五百八段　夢、だったのか</title> 
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.office432.jp/archives/51911640.html" />
<modified>2012-02-10T18:09:04Z</modified> 
<issued>2012-02-06T19:50:26+09:00</issued> 
<id>tag:blog.livedoor.jp,2012:tenmonkan.51911640</id>
<summary type="text/plain">　夢、だったのでしょうか。

　天文館周辺をふらふら歩いていました。どれほど歩いたのよくわかりません。気がつくと小さな路地に迷い込んでいました。
　そこは懐かしい京都の路地長屋の風景に似ていました。
　曲がり角の向こうでツネカズくんとヨッちゃんの言い争う声が...</summary> 
<dc:subject>夢</dc:subject>
<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://www.office432.jp/archives/51911640.html">
<![CDATA[<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/d/b/dbf12574.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20120204-L1016267" hspace="5" class="pict"  /><br />　夢、だったのでしょうか。<br>
<br>
　天文館周辺をふらふら歩いていました。どれほど歩いたのよくわかりません。気がつくと小さな路地に迷い込んでいました。<br>
　そこは懐かしい京都の路地長屋の風景に似ていました。<br>
　曲がり角の向こうでツネカズくんとヨッちゃんの言い争う声がします。<br>
　〈また兄弟ゲンカやってるんや〉<br>
　そう思って曲がり角を曲がりました。でも、そこに2人の姿はありませんでした。見たこともないおばさんが洗濯物を干していました。私はぺこりと頭を下げましたが、全然気づかないふうをして黙々と洗濯物を干し続けています。<br>
　〈あの……〉<br>
　声をかけましたが、ふり向いてもくれません。<br>
　「お母ちゃん。なあて、なあて！」<br>
　家の中からおばさんを呼ぶ声がしました。子どもさんなのでしょうか。<br>
　「うるさいなあ。いま忙しいの。おかあちゃんが何してるか見たらわかるやろ」<br>
　私の声は聞こえないのに……。<br>
　男の子が戸口から飛び出してきました。<br>
　〈あれ？　幼い日の私だ……〉<br>
　「てっちゃん！　缶けりしょ！」<br>
　ふり返ると懐かしいマーちゃんとタカオちゃんが笑って立っていました。<br>
　〈えっ、私と？〉<br>
　そう言いかけた時、さっきの男の子が声を張り上げました。<br>
　「あかんねんて。宿題してからでないとお母ちゃんに怒られるねん。そやし、いま、遊べへんねん！」<br>
　するとおばさんが男の子の頭を一発パシッと叩きました。<br>
　「もう！　痛いなあ！　叩かんでもええやろ……」<br>
　男の子はぷっとふくれて家に飛び込みました。<br>
　「かんにんやで。またあとで遊んでやってな」<br>
　おばさんは笑いながらマーちゃんとタカオちゃんに言いました。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/8/1/819494bf.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20090316-L1011581" hspace="5" class="pict"  /><br />　夢、だったのでしょうか。<br>
<br>
　夕方になりました。<br>
　路地の家のおじさんたちが、仕事から帰ってきました。<br>
　「ただいま」<br>
　「おかえり、お疲れさん」<br>
　そんな言葉が路地中に響きます。<br>
　夏なのでしょう。おじさんたちは家の中にいったん入ると、すぐに団扇片手に路地に出てきます。みんな同じかっこう。ステテコにランニングシャツ。家の前に出した床几に腰掛けて夕涼みです。冷や酒と肴を運ぶのは子どもたちの仕事です。<br>
　いつの間にか、おじさんたちもおばさんたちも子どもたちも、みんな1カ所に集まって夕涼みがはじまります。そうやって路地の中では子どもたちは遅くまで外で遊んでいたのです。<br>
　でも、私に気づく人は、だれもいませんでした。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/6/7/677a52ab.jpg" width="305" height="457" border="0" alt="20100724-DSCN5078" hspace="5" class="pict"  /><br />　夢、だったのでしょうか。<br>
<br>
　「8時からやったな」<br>
　ツネカズくんのお父さんが言いました。<br>
　「もうそろそろやな」<br>
　どこかのおじさんが言いました。<br>
　「よし、上がろ」<br>
　だれかがそう言うと、だれかが梯子を運んできて軒にかけました。<br>
　路地の住人はみんな屋根に上がってしまいました。私も一緒に上がらせてもらいました。そして屋根の上でみんな同じ方を向いて腰掛け、同じあたりをじっと見ていました。<br>
　すると……。<br>
　「おっ、点いた」<br>
　遠い闇の中で小さな灯りが点りました。<br>
　ひとつまたひとつ。灯りは増え、つながっていきます。しばらく見ているとそれは大きな「大」の字になりました。遠い遠い山に炎で描かれた「大」の字です。<br>
　「うわあ」<br>
　小さな長屋の屋根の上は、歓声に包まれました。<br>
　みんな笑顔です。遠い遠い炎なのに、みんなの笑顔がオレンジ色に輝いて見えました。<br>
　中でも、昼間のおばさんの笑顔がとてもきれいに見えたのです。<br>
<br>
　〈あっ〉<br>
<br>
　その時私は気づいたのです。昼間のおばさんは、若い頃の母でした。<br>
　50年前の母だったのです。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/c/6/c6d1e15d.jpg" width="343" height="457" border="0" alt="20100724-DSCN5091" hspace="5" class="pict"  /><br />　あれは、夢、だったのでしょうか。<br>
　そんなことを迷い込んだ路地の中で思い出していました。<br>
　だから、路地は懐かしいのです。<br>
<br>
<br>
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<title>第千五百七段　人が集まる場所</title> 
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<modified>2012-02-06T02:50:40Z</modified> 
<issued>2012-01-29T17:50:16+09:00</issued> 
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<summary type="text/plain">一際存在感のある看板

　恐らくはいから通りで、いや、天文館で最も有名なお店かもしれません。店構えと店名がとてつもないインパクトを放っているのです。
　「バリカン堂」
　どうです、1度聞いたら忘れられなくなるでしょう。
　そんなにおしゃれでも、スマートでもあり...</summary> 
<dc:subject>人間ウォッチング</dc:subject>
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<![CDATA[<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/9/2/92f88a99.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120129-L1015978" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="color: #0099FF;"><span style="font-size: x-small;">一際存在感のある看板</span></span><br>
<br>
　恐らくはいから通りで、いや、天文館で最も有名なお店かもしれません。店構えと店名がとてつもないインパクトを放っているのです。<br>
　「バリカン堂」<br>
　どうです、1度聞いたら忘れられなくなるでしょう。<br>
　そんなにおしゃれでも、スマートでもありません。でもこの名前に勝る店名はないと言っても過言ではないでしょう。店構えだってそうです。雑然として、一見何のお店かわからなかったりします。しかしその存在感は通りでも群を抜いています。まさに通りの名所といってもいいでしょう。<br>
　店主は濱口純明さん。バリカン堂の2代目。しかしだれも彼のことは名前で呼びません。みんな「バリさん」「バリちゃん」と呼ぶのです。お店だけではなく、彼の存在もまた通りの名物なのです。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/6/c/6c362372.jpg" width="306" height="457" border="0" alt="20120129-L1015985" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">店主濱口純明さん。通称バリさん</span></span><br>
<br>
　最近では「バリカン」という言葉もあまり耳にしなくなりましたが、ここは理美容専門機器販売のお店。「バリカン堂」という店名は、理美容専門機器の流通の中で生まれてきた名前だそうです。特別めずらしいのではなく、同じ流通に属する小売店では全国的にもよくある名前だそうですが、鹿児島県ではここ1軒だけだと濱口さんは言います。<br>
　元々理美容専門機器販売との関わりは、バリさんのお祖父さんの代にさかのぼるのだそうです。<br>
　「お祖父さんは大阪の人でしたが、自転車の後ろに抽斗を積んで、九州一円のバリカンを研いで回ってったんです。バリカン専門の研ぎ師ですよ」<br>
　昔のバリカンは今の植木ばさみのように両手で髪を刈ったそうです。だから研ぐのがとても難しく、素人には絶対に研げなかったから、需要は大きかったといいます。<br>
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<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/5/d/5d7b939e.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120129-L1015990" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">鹿児島ではバリカン堂でしか扱っていない</span></span><br>
<br>
　お祖父さんはその後鹿児島に落ち着いたそうです。最初に店を構えたのは上町でした。<br>
　「そのころはね、鹿児島駅あたりもにぎやかだったようですが、父親の代に変わったとき今のここ、天文館に移ってきたんですよ。昭和35年のことだと聞いています」<br>
　現在の土地に移って、理美容専門機器の販売にも力を入れるようになったとか。それでもバリカンの研ぎが主要な仕事だったといいます。<br>
　「バリカンは売るけれど、刃物でしょ、そのアフターケアーっているか、研ぎが大切だったんですよね。昭和30年代はそれだけで営業できたって聞いています」<br>
　その頃とお店の構えはほとんど変わっていません。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/2/a/2af17749.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120129-L1015989" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">めずらしい金のバリカン</span></span><br>
<br>
　昨年（2011年）2月そのお父さんが急逝されました。それまで一緒にお店を守ってきただけあり、少々の寂しさは否めないとバリさんは言います。<br>
　バリカン専門の研ぎだけで仕事が成り立った時代。バリカンを販売するようになった時代。バリカンだけでなく理美容専門機器、シャンプー、スプレーや薬剤などを販売するようになった時代。その他の刃物や合い鍵を販売するようになった時代……。いくつもの時代を越えてきました。両手使いから片手使いそして電動と、バリカンの形もずいぶん変わったとバリさんは言います。最近の需要はどうかというと、<br>
　「男の人でも理髪店に行くよりカットハウスに行く時代ですからねえ。バリカンってどうなるのかなと思っていたら、最近はペット用に売れるんですよ」<br>
　と笑うバリさん。<br>
<br>
<img src="http://livedoor.blogimg.jp/tenmonkan/imgs/8/8/886fbd8c.jpg" width="457" height="306" border="0" alt="20120129-L1015980" hspace="5" class="pict"  /><br /><span style="font-size: x-small;"><span style="color: #0099FF;">この風景は変わらない……</span></span><br>
<br>
　さて、はいから通りも新しく生まれ変わり、周囲にも新しいお店や、店構えを新しくするお店がたくさんある中で、今後お店をどうしていくのかをたずねました。<br>
　「いやあ、何も変えませんよ」バリさんはあっさり言いました。「ずっとこれでやってきてますからね。このままでやっていきます。それがバリカン堂の持ち味でしょう」と。<br>
　ここはバリカン堂、はいから通りの名所です。買い物をする人だけでなく、大勢の人が出入りしバリさんと言葉を交わしていきます。<br>
　そう、ここは人が集まる場所でもあるのです。<br>
　天文館は人が主人公のまちなのです。<br>
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